売りの難しさ

株は買うより売るときの方が何百倍も難しい。

ましてやその銘柄を長く保有すればするほどその別れ際が悩ましい。

人間関係でも死亡のような強制的なものでもない限り、付き合っている人が嫌にならない限り、普通は別れないと思うが、株に至っては値上がりしたらどこかで、けじめをつけなければならない。
もちろん売る気がなければ、それは個人の問題なので立ち入らないが、普通は値上がりすれば売りを考えるだろう。

「捕らぬ狸の皮算用」にならないように確(しっか)り利食いたいものだ。
しかし、相場というのは高くなれば、なるほど欲が出て来る。
これは誰しも同じ。

それが何より難しい。

ある意味、割り切りも必要だ。

売り損ねると「あのとき」売っておけば、あるいは売れていればと「たら、れば」をぼやく。

 

仮に指値の売り注文を出していたが、1円届かなくて出来なかった。

まさに後悔後に立たず。

 

売りと決めたら、ケチらず成り行きで売るが原則です。

格言にも「売りは脱兎のごとし」とあるくらいだ。

これはよ~く覚えておかれたい。

株もチャートやオシレーターの理論だとか理屈で売ろうとすれば、なかなか高値で売ることは難しい。
オシレーターで高値圏のデータが出たからといって、そこで必ず天井っていうこともない。チャートもオシレーターも事後の産物だ。
少し先(将来)に行けば、天井どころか、ずっと後で安値だったなんてこともある。
だいたい高値かどうかわかるのは、先(将来)の話。

しかし理屈を知っている知らないは、選択肢の幅が少ないよりよいのではないか?

理屈はある意味、割り切りにも通じる。

もちろん、黄金比率とか高値目標値を算出する方法もないわけではないが、理屈通りの値段で天井ということはむしろ珍しいものだ。

PERというものだって市場で20倍まで買われていたとしても実際の株価は企業によりてんでバラバラ。

格言で「万人が万人強気なときは、たわけになって売るべし」というものがある。
また「利食い千人力」という言葉もある。
非常にあいまいなものだが、結局、感覚しかないのかもしれません。
しかし、そのときも理屈を知る知らないは選択肢の幅となると思います。

また、目標値があってもそこまで持ち続けるのはなかなか忍耐もいるかもしれませんし、その忍耐が報われるかどうかもわからない。

それでも戦略というのをちゃんと持てば、楽しめる。
それが株式投資の面白いところだと思います。